今回は入居者さんにご挨拶したときの話について記します。
無事に購入手続きが終わり、オーナーが変わったことを入居者さんに知らせるためご挨拶に伺いました。
何度か訪問しましたが留守だったので、手紙と手土産を残して帰宅したところ、その日の夜にお電話をいただきました。
電話でオーナーが変わったこと、ご挨拶に伺うことを説明し、後日改めました。
【挨拶は直接伺うべきか】
さて、オーナーチェンジ物件ではみなさん積極的にお宅訪問しているのでしょうか。
ご挨拶の他にいろいろな思惑がありました。
・入居者さんがどのような人物かを知る
・現況確認(すぐに修繕が必要なものと退去時に整備するものを知る)
・周辺環境の調査(近隣住民や生活のしやすさ等)
しかし面と向かってお話すれば、あれしてほしいこれが不便だと言われ利益を圧縮するかもしれません。
実際に仲介会社の方にはオーナー変更の書類を郵送しておくだけにした方が良いと言われていました。
【ご挨拶】
しかし近くに住んでいて自主管理でやっていくつもりでしたので、後日きちんとご挨拶に伺いました。
入居者さんは70歳ちかい女性でした。
私を見て「もっと年上の方が来るものと思っていた」と面食らっていました。
居間に通していただき色んな事を話してくれました。
・今も現役で働いていて、多趣味である
・一人暮らしだが、同市に住んでいる娘夫婦から同居の提案を2年前から受けている
・お風呂用の給湯器は壊れている(シャワーは使わず洗面所からお湯張りしている)
・エアコンはついていない(夏は暑すぎるため寝室だけクーラーを自分でつけた)
・トイレの管が破損したが、自分でチューブをつなげて補修している
・数年前の台風で屋根瓦が飛んだため、天井の雨漏りと一緒に修復歴あり
・台風の際にベランダが傾いた
・ベランダの手すりが不安でときどき錆びている所を塗装している
・庭に生えている背の高い木が隣の家まで侵食している
・道路向かいの家にちょっとおかしい人が住んでいる
・家賃の減額交渉を前オーナーにしていたが、次のオーナーとしてほしいと言われた
・・・けっこう手が掛かりそうです。
何でいろいろ問題があるのに放置しているのか尋ねると、前のオーナーが全く取り合わなかったこと、自分で直せるものはそれで不便がないからということでした。
私の立場としては「必要費」として認められるものもあるので、それは前オーナーのときに解決してほしかったです。
今後はちゃんと連絡してね、お金も払わなくていいから、ということは伝えました。
一番問題だったのはベランダの傾きでした。
これは前の前のオーナーのときに対応してもらったようですが、向かいの隣人が工事にいちゃもんをつけてそのまま流れてしまったようです。(材料がそのまま車庫に残っていました。)
これだけ問題がいろいろ出てきましたが、借主さんはこの家のどこを気に入っているのだろうと思って聞きました。
・ベランダからの夜景がキレイでよく見ている(丘の上にあり、ベランダからだと墓地もあまり目に入らない)
・お墓の中にある仏さんの像がこちらを向いていて、護られている感じがする
だそうです。
20年も同じ家に住んでいることで不便さも慣れて気にならず、愛着があるのでしょう。
とても満足そうな顔をされていました。
ひとしきり話を聞いた後、最後に家賃を減額していただけませんかと言われました。
・・・少し考えて。さあ、どうしよう。