振り返り④ 妻について思うこと

 振り返り④は妻について思うことです。
今回の育休は二人目で初めて取得したものであり、育児に関しては妻に教えてもらいながらすることが多かったです。
妻と一日中一緒にいるわけですから、育児だけでなく家事やその他のことについても学ぶことがたくさんありました。

「育児は二人でするものだ、教えてもらうじゃなくて自分で考えて動け」という人もいるでしょう。
(妻はどちらかというとそういう考えの人です)
思い通りにならないときは妻から当たられたこともありました。
しかし育休に入ってしばらくして妻に言いました。

「世の中あなたみたいにパーフェクトな人間ばかりじゃない。一度聞いて覚えられない人もたくさんいる」
「全て自分でやってしまうのは良くない。これからずっと続くんだから最初は手間でも人を使えるようになった方がいい」

 

仕事をしていると「その人が出来ないのは自分の伝え方が悪いからだ」という傾向がありますよね。
人に動いてもらうことは楽なことである一方で指示することが面倒だったり、正確に伝わっていないと二度手間になったりします。
だからといって全て妻が自分でやってしまうと負担が大きいですし、何のために育休をとったかわからなくなります。
その後は少しずつ妻のやり方を覚えていき、自分が出来ることが自然と役割として分担されていったように思います。

では私が妻に与えられることは何も無かったのかというと、そうは思っていません。
私が仕事をする上で身につけた考え方や問題の処理能力を家庭に生かすことが出来るからです。
私の場合は建設業で習慣になっているリスク管理、工程管理、予算管理、そして決断力です。
こういうと少し大げさですが、大事にならない事は完璧を目指さずに大目に見る、期日に余裕があるものは今無理をしない、時間をお金で買えるならバランスをみて楽になるようにする、家計の見直しをするといったようなことです。
そしていつまでも悩まない、私に任せてもらったことは妻に聞かれても「こう決めたからこれでいく」と結論しか言いません。
悩む時間や心配する時間は体も疲れるし、時間が勿体ないです。
こうやって少しずつ私に振ってもらうことで妻の負担を取り除いていけたと思います。
そして可愛い我が子のためになるべく良いものを目指そうとする妻の気持ちを尊重しつつ、全てを無理してやる必要はないということを何度も訴えて、気持ちの面で楽になってもらえたこともあるのではないかと思っています。

 

 妻は栄養士と調理師の資格を持っており、結婚するまで料理の道で働いていました。
料理の知識や段取りの良さについてはとても勉強になりましたし、その凄さを知ってから日頃料理をしてくれることに改めて感謝するようになりました。
今まで自分一人が食べる分は適当に何とでもやってましたが、それを「料理ができる」と言えるかと考えたら微妙です。
イライラさせてしまうので、妻の料理を手伝うことはありませんでした。
しかし聞けば色々と教えてくれたので、見て聞いて覚えることが出来てとてもありがたかったです。
「前掛けはファーファで洗っといて!」「ファーファって何・・・?」
「いちごは袋に入れてから冷蔵庫に入れて!」「ごめん、忘れてた・・・。」
「ピンが上がってきて2つ目の線が見えたら弱火にして!」「圧力鍋使ったことない・・・。」
教えてもらうのはこんな感じから始まりました。
今は鍋用の野菜を切るくらいはさせてもらっています。
妻とは遠距離でしたから、結婚するときに仕事を辞めて私についてきてくれました。
大学だけでなく専門学校も出ています。
東京でバリバリ働いていた妻が家庭に入り、外で仕事を続けている私から色々言われるのはあまりいい気がしないかもしれません。
そんな仕事も普通に出来る妻が今こうやって何年も育児をしてくれていることに負い目を感じる日もありました。
環境が変わっても変わらず頑張ってくれていることに本当に感謝していますし、そんな妻を私は心からリスペクトしています。