復職後のキャリアについて

 今回は復職後のキャリアについて考えている事を記します。
育児休業明けの部署ポジションではなく、今後2,30年働くであろう中で将来どうありたいかということです。
これは育休期間中に何度も自分と向き合い、様々な角度から考えています。

【自分の立ち位置】
 現在の建設会社(主な業務は製造業であり、私は作った製品を現場に納める工事部勤務)に入社した20代の頃は、いわゆる昔の建設業のイメージどおりでした。
夜遅くまで毎日残業、夜勤あり、基本土曜日勤務、荒っぽい言葉での指導等、仕事を覚えるまで趣味を楽しんだりする余裕がない日々でした。
将来を考える余裕もなく、自分がどうなりたいかの目標に向かうというより日々の業務に追われて精一杯という感じです。
そして30代に入り、会社の中での自分の立ち位置が分かってきます。
横の並びでも誰が将来ラインの管理職になり、その下に誰が付くのか・・・
私は有名大学卒の肩書もなく、工事部以外での勤務がほとんどなく、現場での実績や評価も並みであり、そして自分自身が望んでいないこともあり、部長や役員へつながるラインに乗ることはあり得ません。

【現状維持でいいのか】
 現場監督は職人ではありませんから、その道を極めれば良いというのは違うと思っています。
建設業は人手不足であり、現場希望であれば恐らく仕事はどこでもあるでしょう。
例え自社を追われても、転職して同業で働くことはできるはずです。
30手前までは転職を促すスカウトの手紙がたまに会社に届いたりしていました。
そういう意味では今の施工管理業務を極めればよいという考えもあるかもしれません。
しかし今の職種はあまりにデメリットやリスクがあります。

・現場ごとに単身赴任を繰り返し、関西を離れると家族と会えるのは月2回程度となる
・家庭の事情で単身赴任ができなくなった場合、工事部での仕事は難しくなる
働き方改革とはいうが体力勝負の面もあり、事業が大きいだけにストレスも大きい
生活習慣病などで体調を崩すと仕事ができない(高所作業ができなければ不適)
・会社の方針で工事部がなくなることも考えられる(会社のメインは製造業)

例を挙げるとキリがないですが、最も大きいリスクは現場で重大事故を起こした場合、現場代理人は罪に問われる可能性があるということです。
これは大いにあり得ることで、労働安全衛生法に違反があると認められた場合、執行猶予付あるいは懲役刑もあります。

【バランスのとれた人でありたい】
 現場で第一線を張り続けることはとても大変であり、リスクがあります。
しかしながら10年以上現場を治めてきた自分が今から他部署を経験できるということは難しいでしょう。
仮にいろんな資格を取っていても、30代後半の人に一から教えるのも大変です。
ジョブローテーションという言葉がありますが、若いうちから様々な部署で経験を積むことができるのは人的な余裕のある会社や将来会社を背負って立つ人だけのように思います。
20代のうちにもっと将来のことを考えて部署異動の希望を出すことが出来ればよかったのでしょうが、忙しかったとはいえ考えることを止めてその一歩を踏み出せなかった自分の責任です。
適材適所といえば響きがいいですが、所詮会社の都合であり、会社としては手間を掛けて個人のスキルの幅を広げる必要があまりないのかもしれません。

【今できること、将来できるかもしれないこと】
 しかし自分の将来を考えているのに、何もできることがないではさみしいです。
自分の置かれている環境でできることは何か、もう一度考えました。
現場はほぼ全ての部署の力を借り、バックアップを受けて最前線で活躍する部署です。
40手前になれば現場所長として自分の現場の予算を組んで管理するようになります。
予算管理するということは営業部とも密接に関わります。
追加工事や設計変更では取りこぼしなくお客さんから上積みしてもらうために営業と一緒に動きます。
工場製作では工場製作計画書に沿って行い、製品の工場検査に立ち会い、製作課や検査課が作成した検査報告書を理解して客先に報告しに行きます。
日々の安全管理では安全部のパトロールを受けたりします。
施工計画書や設計計算書を作成する計画課、設計課も頻繁に打合せします。
各業者からの請求書処理は経理部、日常的な会社からのアナウンスは総務部です。
こうやって書き出すと、自分の現場を持つことが出来れば広く浅く他部署の業務に触れることができそうですね。
一時的に現場業務が出来ない状況に陥ったとしても、全く関わりのない部署にヤドカリするということはなさそうです。
しかし所詮浅い知識であり、未経験です。
半年くらいならいいでしょうが、退職するまでの20年以上をいきなり他部署に決まるとなると厳しいかもしれないです。
今の部署でそのまま頑張ることも必要ですが、将来に備えて出来ることがまだ何かありそうです。
自分の理想とする「バランスのとれた人」であるために、もう少し自分のキャリアについて考え続けてみたいと思います。