賞与と労働組合について

 今回は育休中の賞与と労働組合について日頃思っている事を記します。
先日、冬のボーナスが無事に支給されました。
育児休業期間中の賞与は賃金と見なされないため、給付金の受給に影響はありません。
受け取ったときは少し戸惑いましたが、給付金の日額を決定するときも賞与は考慮されていません。
今回は社会保険料は免除されていましたが、源泉税と雇用保険は引かれていました。
(年末調整でちゃんと還ってくるのだろうか・・・?)

会社のスマホ労働組合から支給実態調査に関するメールがあり、せっかくなので日ごろ組合活動に関して思っていることをまとめてみようと思いました。

労働組合の活動】
 私は組合執行員の経験はありませんが、勤め先の労働組合の活動は主に以下の内容が多い印象です。

・労働条件に関する交渉
春闘における賃上要求と並列要求(福利厚生)
・賞与支給額の交渉と実態調査
・組合員同士の交流イベント開催

今回はとりあえず賞与に絞って書き出したいと思います。

【賞与の要求金額】
 賞与の時期になると「組合員平均でいくら要求したら良いと思うか」等のアンケートが組合から届きます。
アンケートは毎回ほぼ同じ質問項目で、みなさんほぼ同じ回答です。
アンケート結果は集計して公表され、最終的に組合の方で要求金額を提示します。
このアンケートの結果は無記名ですが、設定した金額とその理由について全員分見ることができます。
そして支給後には会社が公表している算定に基づいて支給されているかの実態調査があります。

【財務諸表を読む】
 さて、賞与はボーナス、つまり会社の利益が多いときほど支給額を大きくすることができそうです。
会社が公表している財務諸表を読むことができれば、会社の経営状況について客観的に評価することができるでしょう。
繰越利益剰余金が多いから株主だけでなく組合員にも還元してほしい、というのは建設的な要求のように思います。
明確な数字で示されているものであり、要求額の根拠としても正しく説得力がありそうです。
組合員にアンケートとして希望金額を聞くことはいいでしょう。
しかし前述のとおり、建設業の理系分野専門職の多くの人は何を根拠にいくら要求をすればいいのか全くわからないです。
なので安定的支給を目的として必然的に前回と同額かそれ以上を要求する人が多いのだと思います。

【いつまでも右にならえでいいのか】
 10年以上同じ会社に勤めていますが、このような議論は一度もありません。
組合員の安定して豊かな生活を守る活動であるはずなのに、いつも「去年の・・・を参考に」で終わります。 
組合執行部も通常業務のこなした上で活動しているので大変なことはわかります。
しかし変わりゆく労働環境(コロナ禍でも大きく変わりました)や増税などで厳しくなる日々の生活の中で、本当に今のままで良いのでしょうか。
会社から同額も拒否されるようになった時、組合はそれを飲むのでしょうか。
頑張ったんでボーナスたくさんくださいよ!と言っても「技術者なら数字で示せ」と返されるでしょう。

【それぞれの専門分野を生かした組合執行部にしてほしい】
 組合員はほぼ全員強制加入で千人弱いますから、技術職だけでなく経理や総務の人もいます。
組合執行部に様々な部署の人が偏りなく配置され、自分の知識を生かした議論ができれば、お互いの知らない部分を補いながらもっと建設的な話ができると思います。
・会社の経営状況的にはこうだ
・現場の労働環境はこうだ
・現在と今後の工事の受注状況はこうだ
・建設資材の価格はこうだ
これに組合として、同業他社の労働組合からの情報や組合員の生活状況や賞与希望額を加味して交渉すべきだと思います。

【タブー視されるお金の話題】
 日本人はお金の話をあまりしません。
しかし知っていれば得する(知らない人は損する)ことが多くあります。
簡単なものでいえばふるさと納税などもそうですね。
これらは誰かに教えてもらうことではなく、自分で調べて自分で始めるものです。
しかし同じ会社の同じ組合員であれば、こんなお得な制度があればみんなでやってみんなで得したいですね。
組合は会社との交渉だけでなく、組合員に向けた情報共有活動も積極的に行ってほしいというのが私の考えです。
経理の人が講師となって給与明細の見方や税金に関する教育を新入社員にする、などあったら良かったと思います。
ふるさと納税iDeCo、それこそ男性社員への育児休業に関する勉強会をする機会があれば、もっと興味をもって勉強したり、より生活が豊かになるでしょう。
興味のある人を募って株式投資や不動産投資などの自分の経験談をプレゼンしたりしても面白いと思います。(最終的には自己責任ですが)
自分で調べなさいはある意味正しいです。
しかし、餅は餅屋のとおり、正しく専門家に教えてもらうと安心感があります。
現行制度も変わりゆく、その前に知らない制度がたくさんある中で、それを労働組合というコミュニティの中で教育したり共有することも組合活動として大事ではないでしょうか。